「肩を動かすと痛い」「腕が上がりにくい」「肩こりがひどく、最近は痛みまで感じる」など、肩の不調に悩んでいる方は少なくありません。
肩の痛みというと、肩そのものに原因があると思われがちですが、実際には肩甲骨・胸椎・肋骨・姿勢など、肩周辺の身体の動きが関係していることもあります。
ピラティスでは、肩だけを動かすのではなく、身体全体の動きを整えながら、肩甲骨や胸郭の動きを引き出していきます。
今回は、肩の痛みの原因やピラティスとの関係、行う際の注意点について解説します。
肩の痛みはなぜ起こる?
肩の痛みにはさまざまな原因があります。
例えば、
– 長時間のデスクワーク
– スマートフォンの使用
– 猫背や巻き肩
– 運動不足
– 肩関節の動かしにくさ
– 肩甲骨の動きの低下
– 筋肉の緊張
– スポーツや日常生活での使いすぎ
などが挙げられます。
また、肩関節は非常に大きな可動域を持つ一方で、肩甲骨や鎖骨、胸郭などと連動して動く必要があります。
そのため、肩だけの問題ではなく、身体全体の動きのバランスが肩への負担につながることもあります。
肩の痛みと「肩甲骨」の関係
肩を動かすとき、肩関節だけが動いているわけではありません。
腕を上げたり下ろしたりするときには、肩甲骨も一緒に動きます。
このような肩甲骨と上腕骨の協調した動きは「肩甲上腕リズム」と呼ばれ、腕をスムーズに動かすために重要です。
例えば、
「腕を上げると肩がすくむ」
「左右で腕の上がり方が違う」
「肩甲骨がほとんど動いていない感じがする」
といった場合には、肩甲骨や胸郭の動きが関係している可能性があります。
ピラティスでは、こうした肩周辺の動きを意識しながら、身体全体の連動性を高めていきます。
猫背・巻き肩も肩の負担につながる?
デスクワークやスマートフォンの使用などによって、頭や肩が前方に出た姿勢が長時間続くことがあります。
いわゆる「猫背」や「巻き肩」と呼ばれる姿勢です。
この状態では、胸郭や肩甲骨の位置・動きが変化し、肩周辺の筋肉に負担がかかる場合があります。
特に、
– 胸が縮こまっている
– 肩が前に入っている
– 背中が丸くなっている
– 呼吸が浅く感じる
といった方は、肩だけを見るのではなく、胸椎や肋骨の動きも含めて身体を見ていくことが重要です。
ピラティスが肩の痛みに役立つ理由
ピラティスは、肩の痛みそのものを直接治療するものではありません。
しかし、肩周辺だけでなく、胸郭・背骨・骨盤など身体全体の動きを意識することで、肩を動かしやすい身体づくりをサポートできます。
① 肩甲骨を動かす
肩甲骨は、腕を動かすために重要な役割を担っています。
ピラティスでは、肩をすくめたり力を入れたりするのではなく、肩甲骨を適切に動かすことを意識したエクササイズを行います。
肩甲骨の動きを意識することで、肩周辺の過剰な緊張を減らし、よりスムーズな上肢の動きを目指します。
② 胸椎の動きを引き出す
肩を動かすときには、胸椎の動きも関係します。
胸椎が硬くなっていると、腕を動かす際に肩周辺へ負担が集中することがあります。
ピラティスでは、背骨を一つひとつ動かすようなエクササイズを取り入れながら、胸椎の伸展や回旋などの動きを引き出していきます。
③ 姿勢や身体の使い方を見直す
肩の不調がある場合、肩だけをマッサージしても繰り返してしまうことがあります。
これは、日常生活で同じ身体の使い方を続けていることが関係している場合があります。
ピラティスでは、姿勢だけを「正しい位置」に固定するのではなく、自分の身体をどのように動かしているのかを理解することを大切にします。
肩の痛みには「肩だけ」を見るのではなく全身を見る
肩に痛みがあるからといって、必ずしも肩だけに原因があるとは限りません。
例えば、
足部・骨盤
↓
背骨
↓
胸郭
↓
肩甲骨
↓
肩関節
というように、身体はそれぞれが連動して動いています。
そのため、ピラティスでは肩だけを無理に動かすのではなく、身体全体の動きを確認しながらエクササイズを選択することが重要です。
特にパーソナルレッスンでは、一人ひとりの身体の状態や動きの特徴を確認しながら、負担の少ない方法を選択できます。
肩が痛いときにピラティスをしても大丈夫?
ここは非常に重要なポイントです。
「肩が痛い=ピラティスをしてはいけない」というわけではありません。
一方で、痛みの原因や状態によっては、運動よりも医療機関での評価を優先すべき場合があります。
例えば、
– 転倒や衝突後から強く痛む
– 急に強い痛みが出た
– 腕がほとんど上がらない
– 夜間に強い痛みがある
– 安静にしていても痛みが続く
– 腕や手にしびれがある
– 明らかに力が入りにくい
– 痛みが徐々に悪化している
といった場合は、無理に運動を続けず、整形外科などの医療機関に相談しましょう。
肩の痛みには、肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)、腱板障害、インピンジメント関連の問題、頚椎由来の症状など、さまざまな可能性があります。
自己判断で「肩こりだから大丈夫」と決めつけないことが大切です。
肩が痛い人がピラティスをするときの注意点
肩に痛みがある場合、重要なのは「痛みを我慢して動かす」ことではありません。
特に、
「痛いけれど筋肉が伸びているから続ける」
という考え方には注意が必要です。
肩の状態によっては、痛みを誘発する動作を繰り返すことで症状を悪化させる可能性があります。
レッスンでは、
– 痛みが出る動作を確認する
– 痛みの程度を把握する
– 肩だけでなく胸郭や背骨の動きを確認する
– 無理のない範囲でエクササイズを行う
– 必要に応じて医療機関への受診を勧める
など、一人ひとりの状態に合わせることが大切です。
ピラティスは「肩の痛みを治す」より、動きやすい身体をつくる
ピラティスを肩の痛みに対する「治療」と考えるのではなく、
肩を含めた身体全体の動きを見直し、より動きやすい身体を目指すための運動
として考えると分かりやすいでしょう。
肩甲骨、胸椎、肋骨、骨盤などが適切に連動して動くことで、肩関節だけに負担が集中しにくい身体の使い方につながります。
また、肩の痛みが落ち着いてきた後にも、日常生活や仕事での身体の使い方を見直すことは重要です。
まとめ
肩の痛みにはさまざまな原因があり、肩だけを見ても解決につながらない場合があります。
ピラティスでは、
– 肩甲骨の動き
– 胸椎の動き
– 肋骨・胸郭の動き
– 姿勢
– 呼吸
– 全身の連動性
などを意識しながら、身体を動かしていきます。
ただし、強い痛みや急激な症状、しびれ、明らかな筋力低下などがある場合は、まず医療機関で原因を確認することが大切です。
「肩が痛いから運動できない」と諦めるのではなく、現在の身体の状態に合わせて、できることから始めることが重要です。
肩こりや肩の痛み、腕の動かしにくさ、猫背や巻き肩などが気になる方は、一度ご自身の身体の動き方を見直してみてはいかがでしょうか。
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